おうち時間でサイレントレコーディング

おうち時間のストレス解消として最高なギターですが、自分がおうち時間を楽しんでいるということは周りも同じくおうちで楽しんでいます。キャビネットから音を出してばかりいるといずれ誰かに撲殺されることでしょう。

そこで、

「手持ちのアンプやエフェクターはそのままにラインでどれほど違和感なく良い音出せるのか」

という研究を日夜進めております。その軌跡をご覧ください。

 

・ロードボックス

IRと並んでサイレントレコーディングにおける最重要箇所です。ロードボックスとは、アンプの出力をキャビネットの代わりに応答し、ラインレベルで出力する機材です。

Suhr Reactive Load、OX、WAZA、Fractal X-load、Fryette PS-2、Torpedo Captor、等々、各社から結構な数の優秀な製品が出ております。

僕はずっとARACOMという超高性能なギターアンプ用アッテネーターのラインアウトを使っていました。

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この度、ちょっと次の扉を開こうかなと、機能がシンプルかつ音質的な評判の良いSuhr Reactive Load をお買い上げ。

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さっそく音出し。凄まじい程の違いにビビる。ワイドレンジかつ高解像度で、繊細なタッチの表現も完璧です。些細なセッティングの違いも耳ではっきり追えます。今思えばARACOMはかなり中域寄りの味付けで、機材の違いが分かりにくかったかも。

そんな超高性能なSRL、とりあえず中を開けて弄るところを探します。見つけたで。alpha a10k、安くて良いボリュームだけどこいつに犠牲になってもらう。

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高音質ポテンショメータとして名高い東京光音のcp2508 10Kをお買い上げ。おそらくサイズ的にこのcp2508がギリギリ。外出しにしてロータリーのアッテネーターも考えたけどちょっと俺の実力では無理ですね。

そんなこんなで着弾したcp2508、早速換装を試みるも穴が狭く入らない。金やすりで気長にギコギコ拡張しやっと装着。

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肝心の出音はというと、若干中低音がリッチになったかな。が、苦労とお値段とリセールバリューの激減に見合うかと言われると…

 

・IR

最重要箇所その2、IR。

ロードボックスから受け取ったラインレベル信号にDAW上でIRファイルを通すとキャビネットからの出音が再現されます。

Wall of Soundというtwonotesのプラグインが主流でしょうか。

デフォのIRがこちら。薄い、籠る、味気なし。

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そして厳選、研究を重ねたIRがこちら。OwnHammer最強伝説。

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スクショには映ってないけど以下の5ファイルレイヤーしてあります。

OH 412 MRBW M75-GNR 160 0db

OH 412 MRBW M75-GNR 57b Cap 45 -16.0db

OH 212 VC30 BLU-12C 160 -18.5db

OH 412 MRBW M75-GNR AUX -19.7db

OH 212 VC30 BLU-12C AUX -19.7db

SRLはGreen Back4発のキャビネットを基にしていること(海外フォーラムの情報)、後述するマイクプリがリボンマイクと好相性ということ、自分の好みであるグリーンバック、アルニコブルー、Beyer M160。それぞれ加味してのセレクト。このIRの重ね掛けこそがWall of Soundの強みですね。筐体に内蔵されている機材ではこうはいきません。

そしてその音、我ながら素晴らしい出来栄え。部屋で現物を鳴らした時の、反響を含む複雑な音をある程度再現できているような気がします。

しかしOwnHammerは良い。CelestionやフリーのIRもいくつか試したけど全然厚みが違う。特に新シリーズの(r)Evolutioは録り方を一新したらしく、広がりと明瞭さが素晴らしい。そのお値段、セットで30ドル。良い音出したいなら真っ先に手に入れるべきコスパです。

 

・DI、マイクプリ

かなり理想に近づいてきましたが、まだ音の「再現」に留まっているレベル。官能的な質感が絶対的に足りず、響きが貧相で平面的。これでは楽しくない。

そこで登場するのがマイクプリ。ラインアウトのレベルを極力絞りマイクプリで増幅、質感を与える目論見。そこでかねてからブログを拝見していたSKさん作のRCA OP6をお買い上げ。また、SRLのラインアウトは6KΩ~10KΩとのことで、マイクプリの600Ωに合わせるためTelefunkenのパッシブDIともお買い上げ。

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さてDIとマイクプリを通した音はというと、たまらんですね。まず立体感が全然違う。艶のある倍音と小気味良い分離の良さたるや。ついつい長々弾いてしまう贅沢さ。マイクプリは終着点レベルだけど、DIにはまだ可能性を感じるな。ウルフボックスを試してみたいところ。

 

そしてまた動画にまとめました。動画編集楽しい。

案の定、これも弾いてる時より違いが数倍分からんですね。

 

総評として、出音への影響は

ロードボックス>IR>>DI・マイクプリ

って感じです。ロードボックスが土台、IRが再現し、DI・マイクプリで味付けし表現、という順序で音が出来上がっていきますね。

いつかマイキャビネットのIRを作りたい。

おわり。