プリ管比べ 12AX7/ 5751/ 12AT7
手持ちのプリ管を手持ちの真空管バッファーで音比べしてみました。
いつものことながら録音すると違いが10倍分からないわけで、10倍違い感じている私のコメントは以下の通りです。
①Sovtek 12AX7WB
デフォルトの現行ロシア管です。至って普通、特に何の特徴も感じません。
グレーのショートプレートですね。
②Tung-Sol eec803S Gold Pin
現行ロシア管でGoldLion、Mullardと並んで評判のいいやつ。確かにSovtekより良いけど、おなか一杯になる音。なんか海苔波形気味というか。Sovtekと同じくグレーショートプレート。
③メーカー不明の古い12AX7
何時何処で手に入れたか不明なやつ。至って普通なのはSovtekと同じだけど、古い真空管特有のこなれた感じはあります。優しいというよりは大人しい音。グレープレート。
④Ten 12AX7
クリアかつブリブリしていてお気に入りのTen。ゲインも結構高い。結構安いのでおすすめ。グレープレート。
⑤Sylvania 12AX7 Red
弾いた瞬間ざらついた荒々しさを感じます。結構好き。ちょい長めのグレープレート。
⑥Sylvania 12AX7 Yellow
こちらも同様に弾いた瞬間ざらついた荒々しさを感じますが、ゲインと荒さはさらに上で暴力的な音です。かなり好き。こちらもちょい長めのグレープレート。
⑦Baldwin (Raytheon) 12AX7
これはお気に入りでずっと使ってます。Black Long Plateというスペック的には役満な感じで、音も3弦あたりがバチュン!と弾ける倍音豊かな濃厚さがあります。それでいてコードを弾いてもしつこくない不思議な音です。高過ぎないのもグッド。
⑧Daystrom(Mullard) ecc83
かの有名なブラックバーン工場製のムラードOEM管です。長さ普通のグレープレート。あっさり高解像度系をベースとした上での濃厚な音って感じで、上述のRaytheonと対極な感じです。この2つを掛け合わせると濃厚かつ端正な何とも言えない複雑な響きが生まれます。
が、なぜか録音時は激しく濃厚な音が出てしまい困惑。寿命近い?
⑨GE 5751
星マークが薄く残っているので5starってやつでしょうか。老舗の安定感を感じます。5751と12AX7はそこまでGAIN変わらないかな?12AT7になるとGAINの落ちっぷりをモロに感じます。グレープレート。
⑩Mullard 12AT7
12AT73種中、最もテンションが高い音。あとかっこいいんだよねムラードの黄色ラベルは。ショートグレープレート。
⑪Brimar 12AT7
12AT73種中、最もテンションが低い音。元気が無いんだよなこれ。そしてこれもラベルがめちゃかっこいい。ショートグレープレート。
⑫Telefunken 12AT7
12AT73種中、最もクリアで解像度が高い音。オーディオやる人に人気があるのも頷けますね。この冷淡な成分、ドイツ製機材(RMEやBeyer)に毎度感じます。たまたま左右の出力そろってるのでフェーズインバーターに使ってます。ショートグレープレート。
弾いてて感じた管構造による音の傾向をまとめるとこんな感じ。
ブラックプレート:落ち着いた艶
グレープレート:荒々しい勢い
ロング:解像度高くてワイドレンジ
ショート:ゲイン高め
他にもプレート形状(リブとかスムースとか)、スクエアゲッター、トリプルマイカ、カッパーロッド等々の鑑定ポイントがあるけど、僕の経験値ではまだ差異を感じられません。カッパーロッドとプレート形状は影響しそう。
ちなみにこの比較動画で使用しているVHT/FRYETTEのVALVULATOR1という真空管バッファーは激しくおすすめのグッズです。バッファーなのでディレイやファズの掛かりがよくなるのはもちろん、エフェクターを通さなくても音の生命力が強まります。GAINも増減して、12AX7で+15%、5751で-5%、12AT7で-15%って印象です。
より違いを感じるためにはパワー管、プリ管、共に1発のちっこいアンプが良いのかもなと思案中。アレだな。
つづく。